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耳の中が臭いのは病気のサイン? 湿った耳垢と“ワキガ”の関係性を専門医が解説

2024-02-29 eltha

 耳掃除をしたときに、耳垢の臭いが気になる際は、病気のサインかもしれません。悪化すると、難聴の原因になる場合があります。また、“ワキガ”とも関係が深いといわれています。耳の臭いの原因やワキガとの関係性について、共立美容外科の遠山貴之さんに聞きました。

耳の中の臭いは病気のサイン 耳周りのお手入れ不足も炎症につながる

 耳の中の臭いが気になった時に、その原因として耳の病気が挙げられます。病気にかかるとネバネバした膿(うみ)のような液体が耳の中から出てくる「耳垂れ」という症状が表れることがありますが、急性中耳炎や外耳炎、滲出性中耳炎などの病気が考えられます。また、耳垢がたまって外耳道をふさがれてしまうと、耳垢栓塞(じこうせんそく)になる場合もあります。

 病気ではなかった場合、耳の中の汗腺が原因で臭いが発生していることがあります。耳の中にある汗腺は体温調節のためではなく、フェロモンとしての役割を果たす汗を分泌します。体温を一定に保つために分泌される汗はさらっとしており、色もほぼ透明に近いですが、耳の中の汗は粘度が高く、ネバネバとした乳白色なのが特徴です。汗自体に臭いはありませんが、皮膚の表面に付着している脂肪酸と混ざり、細菌に分解されると強い臭いを発します。

 また、耳の後ろは皮脂腺や汗腺が多く、皮脂や汗が皮膚に残り、残った皮脂や汗に細菌が繁殖して臭いにつながります。お手入れによってある程度改善が期待できますが、臭いが気になる場合は、細菌が繁殖して炎症を起こしている可能性もあので、専門医に相談しましょう。

 前述の通り、耳の中の臭いは病気の他にも汗腺が原因の場合があります。汗腺には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」があります。「エクリン汗腺」は一部の部位を除いてほぼ全身に存在し、体温調節をする役割があります。ほとんどが水分のため、さらっとしており、臭いも気になりません。しかし、放置すると、時間とともに細菌が繁殖して、すっぱい臭いを発します。

耳の臭いが気になる場合は“ワキガ”の可能性も…耳垢が湿っている人は要注意

 一方「アポクリン汗腺」は、体の中でも耳の中、脇の下や陰部など体の一部にあります。汗の成分は、タンパク質やアンモニア、脂質など、乳白色でネバネバしています。分泌直後は臭いませんが、体の脂肪酸と混ざって皮膚表面の細菌によって汗が分解され、独特な強い臭いが生じます。

 汗腺の数は人によってさまざまで、成長による増減はありません。耳の中の臭いが気になる場合は、「アポクリン汗腺」の数が多い可能性があります。脇の下から強い臭いを発する「ワキガ」も「アポクリン汗腺」によるものです。耳の中の「アポクリン汗腺」が多く耳垢が湿っている人は、脇の下の「アポクリン汗腺」も多いと考えられます。共立美容外科の遠山貴之さんは、「ベタベタと湿っている耳垢の方は、汗の量が多くワキガの可能性が高いと言われています」と言います。

「耳垢のほかに自分がワキガかどうかを見分ける方法としては、『服の脇の部分の黄ばみ』が例としてあります。前述のように、ワキガの人の特徴として、エクリン腺よりもアポクリン腺から分泌される汗の量が多いことが挙げられます。アポクリン腺は、鉄分や尿素、脂肪酸、アンモニアなど、さまざまな物質を含んだ汗を分泌するため、皮膚の常在菌と混ざって独特の臭いや色を生じさせます。汗でできた服の黄ばみの色が濃く、ワキガ特有の刺激臭が生じるの場合はワキガの可能性が高いです。

 また、ワキガは遺伝しやすいので、両親のどちらかがワキガ体質だと約50%の確率で遺伝します。 他にも第二次性徴期や妊娠・出産時のホルモンバランスの変化、乱れた生活習慣、過度の疲労やストレスがワキガのニオイを悪化させる原因と言われています」

 医療機関では、ワキガの原因であるアポクリン汗腺の働きを抑制して症状を緩和する治療が受けられます。臭いが気になった場合は、専門医に相談してみましょう。

「共立美容外科では、脇の下に専用の医療器具を挿入し根本的に臭いや汗の原因となる汗腺を吸引する『超音波ローラークランプ法』や美容マシンの『ミラドライ』を使用して臭いや汗を治療する方法、そして、汗を止める製剤を注射して治療する『ボトックス注射』などの治療方法があります。

 特に『超音波ローラークランプ法』は、共立美容外科が開発し特許も取得している手術方法です。これまでの経験と実績をもとに、多様なケースに対応できるよう施術方法をアップデートし、より緻密な施術でワキガの原因を極限まで抑制する『超音波+ダブルローラークランプ法』を、2月より提供開始しました。ワキガの原因となる『アポクリン汗腺』をより広範囲にかつ緻密に取り除具ことができるため、臭いの発生を極限まで抑制します。例えば、身体の大きな方や肩関節の可動域に問題がある方に対しても非常に有効な施術です。いずれも医師がカウンセリングを行い最適な治療方法をご提案させていただきますので、ご相談ください」
遠山貴之(とおやま たかゆき)日本美容外科学会認定専門医/麻酔科専門医

監修者 遠山貴之(とおやま たかゆき)日本美容外科学会認定専門医/麻酔科専門医

1997年、順天堂大学医学部卒業。1997年、順天堂大学医学部付属病院・麻酔科に入局。2006年、共立美容外科・歯科に入局。2020年、共立美容グループ・総括副院長に就任。

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