「痛みが強くて動けない時もあるので、家事はできるときにまとめてやり、仕事の仕方も変わりました。今は施術ではなく教える側になったり、コンサルティングを行っています。私はまだ個人事業主なので多少は自由がききますが、会社員の方だったらもっと大変だと思います。毎日同じ時間に電車に乗って、業務を行う…それはこの病気の人にはすごく難しいことなんです。仕事や生活するのも大変だし、高額な医療費もかかる。でも、線維筋痛症は難病指定されていないんですよね」
――それは意外でした。難病に指定されていれば、医療助成が出たり、理解も得やすいですよね。
「はい。なので私は、同じ病気の方のためにも、コンテストに出て発信して、少しでも知っていただきたいと思いました。1人だけの活動では限度があるけれど、広く知ってもらえたら何かが変わる。誰かが声を上げ、動かないと何も変わらない。私は下半身はまだ動けるので、動けるうちは活動していかないと後悔すると思って」
――『美魔女コンテスト』に出場されたのも、そういった思いから?
「そうですね。健康ではない自分が出てもいいのか? という迷いもありましたが、病気だからと言って美を諦めることは違う、病人だって綺麗でいることを諦める必要はないと思い、エントリーしました。それまで家族や親しい友人にしか病気を明かしてなかったのですが、ここで初めて病気を公表したんです。出場には不安もありましたが、ファイナリストの皆さんが励ましてくれたり、登壇したステージでも助けてくださいました」
――出場して、どんな反響がありましたか?
「2次審査、3次審査のSHOWROOMや『美STオンライン』のブログでも発信したので、病気についてたくさんの方に知っていただける機会になったと思います。またコンテストを取り上げたテレビ番組では、病気のことを伝えた私のスピーチが20秒ほど流れたんです。そうしたら、それを観てくれた200人以上の方がDMをくださって。『病気の痛みを伝えてくれてありがとう』『希望が持てました』など、励ましの言葉がたくさん…。皆さん、身体が痛い中でメッセージを書いてくださったと思うと、感謝しかないです。少しでも苦しむ方々の希望や力になれたのかなと、それだけでも挑戦して良かったと思いました」