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試験終わっても報告なしの息子に弁当で「テストの点数しりたい」お説教から励ましまで“海苔文字”で想いを伝えた母の愛

2022-01-09 eltha

「#お兄の海苔文字弁当」というハッシュタグと共にInstagramに投稿されている手作りのお弁当の写真が話題に。投稿者のkyge.191292さん(@kyge.191292)は、前回紹介した、肢体不自由の障害を持つ次男・エイトマンくんのミキサー食のキャラ弁作る一方で、長男には中学生の頃から、海苔を切って文字にしてさまざまなメッセージを書き込んだお弁当を作り続けている。その内容は「現状ほうこくもらえます?」という催促から「もちもの管理しっかりね」の忠告まで“愛の説教”がメインだ。直接言わずに弁当を通して想いをぶつけることにしたきっかけや息子への想いなど、話を聞いた。

「メモ代わりとしてメッセージを書いた」 長男への海苔文字弁当を作り始めたきっかけ

――遅寝で遅刻気味のときは「ねぼうは自己責任」、トイレ掃除をさせるために「罰金制採用」、部屋に溜まったペットボトルを見兼ねて「ペットボトルや始めんの?」など、ユニークなお説教メッセージをお弁当で伝えていますが、このような作風になったきっかけを教えてください。

 長男が学校にお弁当箱を忘れてくることが続いたときに、インスタで海苔文字をやっていた方を見て、「メモ代わりにお弁当に海苔文字でメッセージを書いたら忘れないかも?」と思いトライしたことが、海苔文字弁当作りの始まりでした。

――初めからスムーズに文字を作れたのですか?

 最初は思うように文字が切れないし、時間もかかるし、初めてカタカナで「ベントウワスレナイデ」と海苔文字を切ったときは、ご飯が温かいうちに乗せて昆布みたいに縮れてしまって失敗してやり直したり…。毎日くり返しやることでコツを掴んで、フリーハンドで海苔文字を切ることに慣れていきました。

――コツとは具体的にいうと?

 あまり文字数が多いと入りきらないので、伝えたいメッセージをいかに短くして、どう表現すればいいかを考えるようになりました。例えば、長男が部屋にペットボトルを溜め込んでいるのを発見して、「ペットボトルどんだけ溜めてんの?ペットボトル屋にでもなるつもりかー!!」とイライラしたときでも、「あ!海苔文字のネタになる!」と思うと怒りのボルテージが下がり、この思いをどう表現しようかと考えるようになりました。「ペットボトル屋かっ!」とか「ペットボトル屋始めるの?」などいくつか候補があり、その中でも嫌味な言い回しを選んでいた結果、あのようなメッセージの数々に至った感じです(笑)。

――「#お兄の海苔文字弁当」の投稿では、長男くんとのコミカルなやりとりも面白いですが、お弁当に対しての長男くんの反応は?

 初めて作ったときは予告せずに海苔文字メッセージにしたので、蓋を開けて「は?!」と思ったと同時に「誰かに見られたら嫌だから海苔文字を箸でご飯に埋めた」と言っていました。「恥ずかしいからやめてくれ」と言われましたが、「母から言われたことを返事ばかりで実行しない君の言うことは聞きません!」とやめずにやり続けました(笑)。

――反応が良かったことは一度もないのですか?

 高校3年の大学受験の際に、2個のおにぎりに乗せた「表→大丈夫 落ち着いて、裏→深呼吸 リラックス!」という海苔文字に対しては、初めてLINEで「母よ メッセージ嬉しいんだがせめて片面にしてくれ。隠せない。でもありがとう」とちょっと困りながらも感謝の言葉を送ってくれました。その言葉と受験がひとまず無事に終わった安堵感とでウルッとした出来事でした。

喧嘩のイライラは海苔文字に 思春期の長男との向き合い方にも弁当を活用

――思春期や反抗期のときもお弁当を作り続けていたそうですが、長男くんとは毎日のように喧嘩をしていたみたいですね。

 中学1年の終わり頃から急に目つきや態度が変わり、「思春期に入ったな。これも成長だ…」と感じたものの、突然の変化に私自身が対応できず、広い心で受け入れるだけの力も残念ながらなく、一つ一つの態度や言動にイライラする日々でした。

――そのイライラをどのように昇華していましたか?

 海苔文字に託しました。その海苔文字弁当をLINEのタイムラインやインスタにアップしたことで、「わかりますー!」「うちの子もそうですー!」というたくさんの共感のコメントや先輩ママさんからのアドバイスなどをいただきました。おかげで「うちの子、こんなんだけど大丈夫なんだろうか…」という不安や心配が消えたり、気持ちが楽になったり救われたりして、反抗期を乗り越えられたなと感じ、本当にありがたく思っています。

――思春期や反抗期真っ只中の男子と、親としてのコミュニケーションについて、当時を振り返って思うことはありますか?

 思春期や反抗期の時期はうるさく言っても変わらないので、“黙って見守る”ことで無駄なバトルをせずに済み、壁に「大人が入れるんじゃないか?」というくらいの大きな穴を開けられることもなく済んだのかなと思ったり、長男にとっても私自身にとってもきっといいのだろうなと思ったりすることもありました。でも、そんな大きな器は私にはなく、自分自身の器の小ささに凹んでもいました。

――それは誰だって落ち込んでしまうと思います。

 長男の大学進学が決まり、お互いにメンタル的に落ち着いた時期に色々ゆっくりと話をする機会があり、反抗期真っ只中の頃に思っていたことを話してくれました。「当時はやらなきゃいけないことに追われて心と体がいっぱいいっぱいで、感謝の気持ちがあってもそれを伝える気にもならなかったし、そんな余裕なんてなかった」と聞いたときに、あの辛かったバトルの日々や海苔文字弁当で思いをぶつけてきたことが、長男には愛情として受け止めてもらえていたのかもと思えたので、口うるさい鬱陶しい母ちゃんでも良かったのかもと思えました(笑)。

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