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思春期の長男、嚥下障害の次男 それぞれの弁当で築いた親子の関係性「母が楽しんで作ることで子どもも大きく変わっていく」

2022-02-03 eltha

嚥下障害を起こした次男のためのミキサー食 弁当作りにこだわることで息子の成長も実感

 肢体不自由という障害を持つ次男に対しては、ミキサー食で『鬼滅の刃』や『ドラえもん』、『スヌーピー』などのキャラ弁を制作。「#エイトマンのキャラ弁」というハッシュタグと共にエイトマンの日々の様子をInstagramに綴っている。“エイトマン”とは次男の愛称だ。

 ご飯が大好きで食いしん坊だった次男が、2019年にインフルエンザの高熱の影響から体調が急変。食べ物に対して全く反応を示さなくなり、口にご飯を入れても飲み込めない嚥下障害の状態になってしまった。体重がどんどん減少し、不安が大きくなっていく中で、kyge.191292さんは次男に食事をさせる時間を憂鬱に感じるようになってしまう。このままではダメだと自分を鼓舞し、ミキサー食のデコレーションにチャレンジをした。

「最初の頃は、慣れていなかったのでお弁当に入れられそうな物を考えることにも苦労ししたし、毎回ミキサーでおかずやご飯をペースト状にするのも大変でした。特におかずは、食べる分だけをミキサーにかけるとなると量が足りなかったり、思うような形状に出来なかったり、水分が多めになってしまうとデコレーションがうまくいかなくなったりと苦戦しました」

 当初、次男は視線も合わない状態で、食べたいという欲求自体が見られなかったが、約1年かけて、お弁当を見て声を出したりジェスチャーをしたりするように。次男なりに「早く食べたい!」とアピールするようになった。
 なかでも特に思い入れが強いのは次男の顔を描いたキャラ弁。次男が食べている姿を想像して「これって自分を食べることになるんだな〜…ん?!共食いじゃん(笑)!!」と作りながら思わず笑ってしまった。

「エイトマンの顔がとっても作りやすいことに気づき、共食いバージョンはそれから度々作るようになりました。小6のときの養護学校の文化祭では、ピーターパンならぬ『エイターパン』の役をやることになり、『エイターパン』の顔を文化祭当日のお弁当で作りました。だいたい本番になると居眠りしてしまうことが多いエイトマンなのですが、この『エイターパン』のときは練習の成果を思った以上に発揮してくれました。エイトマンの出来栄えにとても感激し、思い出深いデコ弁の一つになっています」

 Instagramに日々の手作り弁当の写真を投稿したことにより、kyge.191292さん自身が得たものも大きいという。

「私自身、エイトマンの状態が悪化したときに気持ちがドーンと落ち込んだものの、ミキサー食のデコレーションを始めたことで自分自身のモチベーションアップにつながり、楽しみながら作ることで子どもに与える影響も大きく変わっていくということが実感できました」

 基本的には面倒くさがりで、お弁当を作るのを億劫に感じる気持ちのほうが大きいというのが正直なところだと率直な想いを吐露するkyge.191292さんだが、キャラ弁を作る時間は特別なものになっている。

「『エイトマンが完食してくれるかな〜』とか『施設のスタッフさんも食事介助しながら楽しい気持ちになってくれるかな〜』などと、いつもワクワクしながら作っています。また、イメージしたものが形になる達成感を楽しめる時間でもありますね」

 生まれた翌日からNICUに入り、これまでたくさんの手術をして病気を乗り越えてきた次男も、今年の春から中学3年生になる。

「ミラクルをたくさん起こして『ご飯が大好きな食いしん坊エイトマン』に復活してくれたこと、本当に本当に嬉しかったです! 言葉は話せなくても、『ご飯食べたい!もっと欲しい!』というエイトマンなりのアピールをしてくれることが幸せ。エイトマンに喜んでもらえるように、母ちゃんはこれからも頑張るよー!!」

息子・エイトマンへのミキサー食キャラ弁

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