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「父ちゃん頑張るから」片親を言い訳にせず、意地で作り続けた約500個の “嫌がらせ”弁当 娘に伝えたい想い

2023-03-24 eltha

「NTT」や「昭和シェル」「ドミノピザ」などの企業やテレビ番組のロゴからアニメキャラクターのシルエットなどを海苔アートするKoyap(@koya_toshi)さん。これらはすべて娘さんへの“嫌がらせ”弁当なのだという。なぜ“嫌がらせ”なのか? お弁当はシンプルだが、なかなかインパクトがある作風。作り続ける背景には、娘に「楽しんでもらいたい」ひたむきな父としての想いが託されていた。

弁当から広がる友人との会話、「学校生活の思い出の1つになったら」

――そもそもお弁当を作るきっかけ何だったのでしょうか。

Koyap学校でデリバリーお弁当を注文できたので、当初はそれでいいかなと。親としては楽ですよね。娘が好き嫌い多いことと味付けがどうしても好みではなかったようで、一週間でお弁当を持参すると娘から宣言が。入学の時に、「お弁当作ってもいいよ」というのを覚えていたようです。

 小学6年生の時に、新型コロナの影響で突然の休校、なんとか開催でき卒業式。中学校に入学してすぐの緊急事態宣言。分散登校から始まり、やっと1日の授業が始まったところ黙食。中学校の思い出が無くなってしまうのではないか。楽しいはずの学校生活が笑顔のない学校生活になってしまうではないか。そう思い、すこしでも“クスッと”できたら空気も変わるかなとの思いから作り始めました。キャラ弁を作って!との要望だったのですが、初の毎日お弁当作り。最初は天気予報の“雨マーク”でしたが、もっと楽しいキャラ弁を期待していたようです。いまだに、「最初は雨(マーク)だったよね」と言われてしまいます。
――企業のロゴが海苔でデコレートされているのが面白いです。

Koyap最初はいわゆる“キャラ”にも挑戦したのですが、高校卒業まで1000個をキャラで作るには、ネタが持たないことに気がつき始め、普段何気なく目に入っている企業ロゴなら1000種類続けられそうということと、昼食の時に「見たことある!」と、クラスメイトとの会話にきっかけになればと思い、現在の形に落ち着きました。

――どのような時にお弁当のアイディアは思いつくのでしょうか。

Koyapこれは、本当に思いつきです。海苔のエリアが長方形なのでそのサイズに収まるか、カットする時の難易度(10分程度でできるか)、中学生が“見たことのある”ようなロゴか。一度作ってないかなどを念頭に置きながら制作しています。朝考えると、それだけで時間を費やしてしまうので、おもに就寝前に思いつけるようにしています。あとは食事中に見るものとしてふさわしいか。例えば、はトイレ用洗剤のロゴなどは避けています。おいしく食べれないですよね…。
――ほかにこだわりなどはありますか。

Koyapお弁当のおかずは、成長を考えて、肉の部・玉子焼き・魚の部に分けているのですが、パパッと作っているのでいつも変わり映えのないおかずになってしまっているので、それを打破できるような(誤魔化せる?)インパクトのある「なんでそれ?」となるような海苔アート弁当になるように心がけています。

――これまでのお弁当で忘れられないエピソードはありますか。

Koyap個人的には、娘の友達が描いた担任の先生の似顔絵を海苔アートにしたお弁当です。1年生の時と引き続き2年生の担任も同じ先生だったのですが、先生ご本人からのお墨付きもいただいたみたいです。自分も中学生の頃、絵心はないのですが教科書の偉人や先生の似顔絵を描いていたなと。

 娘は“くまモン”の海苔アートがよかったみたいです。くまモンの表情がお昼のひと時にホッコリと癒しを与えてくれたのかと思います。

“逃げ場”があったから続ける原動力に、片親だからと思われたくない「意地があった」

――普段のお嬢さんはどんな性格ですか。

Koyap人見知りなところがあるのですが、反面、積極的というかおせっかいなところもあり、クラスのムードメーカーなようです。浮きすぎていないか父としては心配になってしまうこともありますが…。学校でも家庭でもとても気が利き、自分のことよりも友達のことや人のことを考えられる娘だと思います。親バカですみません(笑)。

――これまで471個のお嬢様への“嫌がらせ弁当”を作ってこられましたが、振り返ってみていかがですか。

Koyap「シングルファーザーだからしょうがない」と思われたくない意地があったと思います。自宅の目の前にコンビニエンスストアがあるし、学校でも頼むことができるというような、いつでも逃げ場所があったことがかえって続ける原動力となったのだと思います。そして、途中でやめないことで、小さなことでも続けることの大切さを少しでも娘に伝えることができたらと。作るのを辞めたら、「ほら、やっぱり」と思われるのが怖かったというのもあります。
――お弁当を作りはじめたころから、現在に至るなかで、お嬢様へのお弁当作りへの向き合いはどのように変化していきましたか。

Koyapご飯は楽しく美味しく食べて欲しいといつも思っているのですが、おかずのマンネリ化が私の課題です。何を食べるか? よりも、どこで誰と食べるか? が美味しく食べる秘訣だと思っていますが、合わせてマンネリ化の脱出もしたいと思っています。昨年後半から、一昼夜の勤務が異動で始まったため、2日分のお弁当を作るようになりました。娘の2日分の笑顔を想像しながら作っています。

――最後に今年、中学を卒業し、「お弁当」を卒業されるかもしれないお嬢さまへメッセージをお願いいたします。

Koyap3年間残さずに食べてくれてありがとう。毎日作ることができました。中身はほとんど変わらなかったけど、それはそれでよかったかな? たまに、お土産で購入したカット済の海苔を代用してしまったけど、堪忍な(笑)! 高校になったらお弁当卒業しちゃうかもしれないけど、食べたくなったらいつでも言ってね。美味しいものは作れないと思うけど、父ちゃん頑張るから!! 3年間残さずに食べてくれて本当に本当にありがとう!(2回目)。
Koyap
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