画像提供:ワコール
近年、SNSには捨てられた下着を“救済”したとして写真をさらす悪質な投稿が散見されるようになった。ネットオークションやフリマアプリでは使用済み下着が取引されている。一人暮らし女性宅のゴミが漁られる被害は昔からあったが、ネット社会で可視化されたことで不安を募らせるようになった女性も多いだろう。
防衛策としてショーツは細かく切り刻むなどもできるが、ブラジャーは本体のほかワイヤー、ホック、装飾など複雑な構成で分解するのも一苦労。またビーズなどのプラスチック製のパーツを“燃やせないゴミ”に分類している自治体もある。エコ意識の高まりから「分別はきちんとしたい」という思いがありながらも、「ブラジャーってどこまで分解すればいいの?」と困惑してしまう人もいるだろう。
ワコールでは『品質の高い商品を作ることがサステナブルな消費に繋がる』という考えでものづくりをしてきましたが、長くご愛用していただいたその先までフォローすることも企業としての責任ではないか。そうした社内の意見からスタートしたのが、ブラリサイクルキャンペーンです」
環境への配慮はもちろんのこと、リサイクル工場に搬入するまで「開封せず厳重に保管する」という女性の心理に寄り添った細やかな配慮に喜びの声は多い。
「一方で、ブラジャーの捨て時に関するお声もあります。使用頻度や持っている枚数、お洗濯の回数でそれぞれ異なるのですが、ブラジャーのストラップの紐が伸びてきたり、ワイヤー部分が歪んできたり、サイドのメッシュ部分が伸びてきたら、買い替えを推奨しています」
(取材・文/児玉澄子)