ハートの温かさを表現できる役者になりたい
――憧れている女性はいますか?
ミムラ 役者として憧れる大好きな女優は、クレア・デインズ。映画『ロミオ+ジュリエット』でブレイクして、アイドルのようになりましたけど、その後は実力派としていろんな作品に出演しています。彼女のお芝居って、すごく“情”があるんですよね。映画『いつか眠りにつく前に』では、結婚前にほかの男性への恋心を吐露して泣く親友に対して、クレア演じるアンが「もし結婚が嫌だったら私が連れて逃げてあげる」と言うシーンがあるんです。よくあるシーンではありますが、彼女のお芝居は本当に連れて逃げてくれそうに見える。真実味があるんです。
――お芝居の中に、演じている人間がもっている何かが自然とにじみ出るということでしょうか?
ミムラ そうですね。自分の中にある栄養分みたいなものは、今までの経験の積み重ねで、それがあるとセリフを言ったときに嘘に聞こえないと思うんです。心の温かさを表現することは、私にとってはすごく大事。そんな役者になりたいですし、女優として憧れる方々のインタビューを読んでも常にそこに惹かれます。一方で、理性的に物事を考えることも重要だと思っていて、男性ともしっかり渡り合える女性でありたい。そのバランスはとても難しいですけど、最近の私のテーマは“頭はクールに心はホットに”です(笑)。
役と真摯に向き合い、観た人の心に残る芝居ができたら
――最新出演作の映画『彼らが本気で編むときは、』では、我が子を家に置き去りにしてしまう母親を演じています。今までのミムラさんのイメージとは正反対の役ですよね。ミムラ 私が演じたヒロミというキャラクターは、荻上直子監督作品の中でも珍しい存在です。だからこそ、その役割をしっかりと果たさなければいけない。なるべく理解して演じようと思ったんですが、ヒロミに関しては迷宮の中にいるので……いくら考えてもわかりませんでした。でも、今回はそんなわからない気持ちを抱えながらやるのが正解なのかなと。とても演じがいがありましたね。
――今後はどんな女優になっていきたいですか?ミムラ たとえ、ふとしたシーンでも、観た人の心がパッと温かくなる。そんなお芝居のできる女優になっていけたらいいなと思います。
ヘアメイク:小森真樹(こもりまき/Maki Komori)
スタイリスト:松本人美(まつもとひとみ/Hitomi Matsumoto)
<ミムラさん着用アイテム>
イヤリング:JewCas(ジュアキャス)、パンプス:BARCLAY、ブラウス:スタイリスト私物、ギャザーロングスカート:trois、ネックレス&リング:agete(アガット)
(文:奥村百恵/撮り下ろし写真:勝又義人)
Information
笑って、泣いて、心温まる、人と人との絆を紡ぐ“編みものがたり”
彼らが本気で編むときは、
第67回ベルリン国際映画祭 パノラマ部門・ジェネレーション部門 正式出品作品
監督:萩上直子
出演:生田斗真 桐谷健太 柿原りんか ミムラ 小池栄子 門脇麦 柏原収史 込江海翔 りりィ 田中美佐子 ほか
2017年2月25日(土)全国ロードショー
(C)2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
公式サイト:
http://kareamu.com/
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