弁当開けたら暗号? 黙食で失われた息子の“楽しい昼時間”、笑顔を求め奮闘した母の海苔文字
2023-05-25 eltha
最初のメモは「ガンバレネルナヨ」「カエリハ16:10ノバス」
小学校を卒業したばかりの息子は、10キロ以上あるカバンを背負い、毎朝6時半に家を出る。学校までは約1時間。慣れない中学校生活でバスの時間を間違えないか、寝過ごさないかーー。心配からメモ代わりに海苔文字弁当を始めた。
「ちょっとした遊び心もありました。でも、海苔文字で【ガンバレネルナヨ】【カエリハ16:10ノバス】とメッセージしても、バスを寝過ごし終点まで行き、2時間かけて半泣きで家に帰ってくることもあり、あまり効果はなかったかもしれません(笑)」
「宮崎弁も若者言葉も息子が良く使う言葉なんです。去年までは黙食が基本で、友達との会話もない静かなお弁当タイムでした。なので、会話の代わりにはなりませんが、少しでも楽しいお昼休みになるように、“なんでだよ!”と思わずツッコミを入れたくなるような海苔メッセージを考えました」
息子から、野外遠足でシートを広げて友達とお弁当を食べた時に「なにその海苔メッセージ!」と注目を集めたことを聞いた。黙食がなくなった今では、自ら友達に見せることもあるそうだ。友達の反応も楽しみのひとつになっている。
「ただ、去年の三者面談の際、担任の先生に『お弁当に何か書いてますよね?』と言われた時には別にカンニング的なものをのせた訳では無かったのですが変な汗をかきました。その後、『みんなに見せたい!』と笑って仰っていて、ホッとしたのを覚えています」
大喧嘩した翌日も作った海苔文字弁当、息子の反応は…
「ほかほかご飯に海苔をのせると縮むんですが、その海苔の縮み具合もわかるようになり、縮みを想定してカットするようになりました。カットする時間よりメッセージの内容を考えることの方が時間がかかっていますね」
10分といえど、忙しい朝に海苔文字弁当を作るのはやはり大変だ。続けるのは、海苔文字がコミュニケーションのきっかけのひとつになっているため。帰宅後、その日の海苔文字から会話が広がり、学校の様子が聞けるのが何より嬉しいと話す。
4月で2年目に入った息子弁。あと5年、高校を卒業する日まで作りたいと願う。
「お弁当作りは大変ですが、作る人、食べる人のコミュニケーションの手段だと思います。海苔メッセージをするようになってますますそう感じるようになりました。息子はまだ色々と話してくれる方だと思いますが、そのうち激しい反抗期や思春期を迎え、これから親とのぶつかり合いもあるんじゃないかなぁと思っています。それでも毎日しつこく海苔メッセージを送り続けるつもりです。
反抗期を迎えたならば、なんでそんなにイライラしているのか海苔メッセージで聞いてみようと思ってますし、彼女が出来たなら彼女の名前を聞いてみようと思っています。その日がくるのが今からとても楽しみです。高校卒業までうんと長いですが、これからも楽しんで作り続けたいと思います」