選択的に子どもを生まないは”ずるい”のか? 子なし夫婦に「子作りは勢い!」、軽々しい声掛けに疑問も
2023-09-02 eltha

「子どもはかわいいから生んどいたら?」「生んじゃえばなんとかなる」と声を掛けられることも(C)望月ゆた
子なしの選択に「考え直したほうがいい!」、多数派を重んじる日本特有の風潮
「どのようなことでも多数派が普通と捉えられることが多いので、そのこと自体は気にしていないんです。ただ、他の人の思う普通に当てはまらない人に対して『おかしい』『考え直したほうが良い』というようなことがあると、言う方も言われる方も生きづらいだろうなと思います。お互いが『私はこう思うけれど、あなたはそう思うのね。いろんな考え方があるよね』と言えたら素敵なのにと」(望月さん/以下同)
望月さんが子どもを望まない理由として綴っているのは、幼少期に「母親からファンキーな育て方をされてきた」過去があるから。「私も母親みたいになるのではないか、だから子どもは生まない」と決めていましたが、その考えを伝えたとき周囲から言われたのが「母親を反面教師にしたらいいじゃん。やられて嫌だったことは、やらなきゃいい」ということでした。
「もちろん、そう思って本当に子どもを大切に育てている方もたくさんいるはずです。でも、そうできない人もいる。私はどっちになるだろうか、と考えたとき、どっちに転ぶかわからないのに子どもを生むのは危険すぎるから、生まないという選択をしました。
夫が年上ということもあったので、お付き合いを始めてからわりと早い段階で、私から夫に『私は子どもを生まない人生が良いのだけれど、あなたはどう?』と聞きました。すると、夫も『奇遇だね、僕もだよ』と言ってくれて、お互いの考えが一致していることがわかりました。特に話し合いの期間を持ったわけではないですが、もしも、いつかどちらかが子どもがほしいと思う日が来たら、その時は改めて話し合おうと約束しています」
「世の中の親御さんをとても尊敬しているという想いを届けたい」
「職場でも、私以外皆さん子持ちなので、なかなか話に入れないことも多く苦労しました。会話に入ったら入ったで『あなた子どもいないからわからないでしょ!』と追い出されることも多かったです(笑)。『こういう考え方も、一つだよね』ということを、これからも伝えていけたらと考えています」
「選択子なし」とインターネットで検索すると「ずるい」「嫌い」というキーワードも出てきます。それを選択した人たちにも何かしらの理由があることは、認識しておくべきこと。望月さんは、子を持つ方、持たない方、両方への発信を大事にしたいと言います。
「子どもは素敵だし、世の中の親御さんは本当にすごい。とても尊敬しているという想いを届けたいです。一方で、子なしの方には『子どもいなくても楽しいこと沢山あるよね!』という気持ちを共有していきたいです。
選択子なしと言うと、子どもが嫌いな人と思われることも少なくないので、他の理由で子なしを選択する人もいるということを知ってもらって、『こういう考え方も一つだよね』と私の漫画を読んで、思っていただけたら嬉しいです。重くなりがちなテーマですがそんなに特別なことでもないので、身近に感じてもらえるよう明るく楽しく発信していきたいと思います」

監修者 望月ゆた
Instagram:mochizukiyuta
blog:http://mochizukiyuta.com/