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断捨離ブームのその先、価値観を問い直すための3冊


夫まで捨ててしまう女、圧巻!前人未踏の極め方
▼『捨てる女』(本の雑誌社)
内澤 旬子


著者の内澤旬子さんは、徹底的に極める方。38歳の時に乳ガンを患いながらも、ヨガなどに励んですっかり健康になってしまったプロセスを描く『身体のいいなり』(朝日文庫)の淡々とした筆致には度肝を抜かれます。

その後、製本への興味から、革なめしの現場に行きたい一心で『世界屠畜紀行』(角川文庫)を書き、その流れで自ら豚を飼い、つぶして食べた体験ルポ『飼い喰い 三匹の豚とわたし』(岩波書店)を刊行。前人未踏の極め方が圧巻です。


そんな彼女はある日、ごちゃごちゃした部屋のカオスに耐えられなくなってしまったそうです。風通しの悪い日陰や地下などにいても、いやーな感じに襲われ、息苦しい…。それまで“身体のいいなり”に生きてきた彼女が、今度は “気持ちのいいなり” になって、捨てまくっていく様子が描かれるのが本書です。

豚を飼うため千葉県の廃屋に移住し、歴代先住者の残した膨大な粗大ゴミを処理センターへ車で運び込んで、落ちたら自分も一緒に撹拌されそうな谷底のような穴に捨て、脳のネジが切れてしまったとか。帰京後、夫まで捨てて(離婚して)しまいます。

また東日本大震災後、トイレットペーパーが買い占められて姿を消したことに腹を立て、自分にできることをしようと、イランで一昔前まで使われていたアーフターベと呼ばれるジョウロに似た水差しで、お尻を洗う方法をマスター。そして現在に至るとか。読み物としておもしろ過ぎる1冊でした!

いかがでしたか?気になる一冊が見つかったらぜひ手にとってみてください。この機会に、自分の内なる声に耳を澄ませ、価値感を問い直してみてはいかがでしょうか。
(稲木紫織)

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