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モラハラ園長、園児の危機も「救急車なんて呼ばなくていいわよー」子どもより世間体? 苦しむ園児を笑い飛ばし…保育士が体験したトンデモエピソードとは

2022-11-14 eltha

「保育園落ちた日本死ね」のブログ投稿から6年。年々減少傾向にあるとはいえ、未だ、解決には至っていない待機児童問題。念願叶って希望の園に入れたとしても、子どもが寂しがらないか、いじめられないか、ご飯をちゃんと食べるか等々、親の不安や心配は尽きないものだ。それに加えて、世間体や私欲に走るばかりの無責任な、しかも保育士をいびる“モラハラ園長”がいたら…。実体験をもとに描かれた漫画『保育園トラブル モラハラ園長と闘います』(KADOKAWA刊)の著者・たぷりくさんに、モラハラ園長の実態とそれを見抜く方法、モラハラ上司への対応の仕方などについて聞いた。

【漫画】『保育園トラブル モラハラ園長と闘います』

「低く見積もった安易な判断をしないで…」命を預かる仕事の重み

――保育園で起こる様々なエピソードが描かれています。とくに印象的だったのは、食事中に2歳児のあいちゃんが嘔吐し、アレルギーを疑って救急車を呼ぼうとするも、園長が「大げさ」と笑い飛ばしたシーンでした。

たぷりくさんあいちゃんの様子を見てもいないのに「救急車は必要ない」と判断するのは、園長としていかがなものか! とその時は本当に怒りを覚えました。アレルギーの度合いは素人目にはわからないと思いますが、責任者として、まずは視診をしてから判断してほしかったです。

――結局、あいちゃんはおばあちゃんが迎えに来て、病院に連れて行ってもらい、アレルギーではあったけれど軽度で済みました。今回のケースについて、園はどんな対応が理想的だったと思いますか?

たぷりくさん普段アレルギーがあるお子さんは、園に緊急時の内服薬やエピペンを預けていると思います。ですが、あいちゃんはアレルギーがあるとは誰も知らず、今回初めて園で症状が出てしまったので、そういった備えがありませんでした。発疹が出て、呼吸器にも影響が出ているアナフィラキシー症状だったと思うので、万が一、さらに症状が重くなって命に関わる可能性を考えると、あの時はやはり、救急車を呼んだほうがよかったと思っています。

――そのときの園長は、救急車を呼んだことで近所に「この園大丈夫?」なんて思われたら大変と、子どもより世間体を優先させて、救急車の提案に腹を立てていました。

たぷりくさん子どもの命を預かっているのですから、低く見積もった安易な判断はせずに、万が一を考えての決断をしてほしいです。

――あいちゃんのように、園で初めて食物アレルギーが発症するというケースもあるわけですからね。

たぷりくさんアレルギー誤食予防については、マニュアルに基づいて、給食室、保育室で徹底した注意が払われていることと思います。ですが一方で、私の持つ印象としては、アレルギーに関しての知識があまりない保育士や、アレルギーが発症してしまった場合の対処方法の周知がない園も多いと思います。誤食防止とともに、アレルギー発症時の対応の仕方も、もっと学んでいかなければならないのが課題だと思います。

心を病み、体調まで崩し…「本当に好きで、やりたい仕事なのに」モラハラ環境で描かれる保育士の苦悩

――保育園を選ぶ際、保護者にとって「良い園」か「悪い園」かはもっとも気になるところです。それらの決め手となるのは、園長の質も含めた運営だと思いますが、見極めるコツはあるのでしょうか?

たぷりくさん保育園の内情は、外から見るだけではわかりにくいものです。私も保育士として勤務するにあたり、見学や1日体験などでいろいろな園を見ましたが、それだけでは見極めることはできませんでした。職員間の雰囲気を見て、良い雰囲気か、ギスギスしていないか…そんなところを参考にしていましたね。

 それでも一番の目安になるのは“クチコミ”だと思います。「あの園長、先生に対して『あなたの代わりはいくらでもいる』って言うような人らしい」「入園して子どもが情緒不安定になったので、転園したら落ち着いた」などと、聞いたことがある園の園長や主任に対しての不評がいろいろと書かれていたりしていました。SNSや口コミサイトなどで、実際にその園に通わせたことがある保護者の体験談は、参考になるのではないかと思います。

――具体的には、どのような評価内容に注意したらいいのでしょうか。

たぷりくさん園長によって、保育士の働きやすさや保育のしやすさはガラッと変わります。なので、そういったことについて、マイナス面が書かれているところは要注意だと思います。

――園に限らず、職場でモラハラ上司に悩む人は多いです。本作では、保護者も園長に不信感を抱いていたことが解決へとつながりましたが、たぷりくさん個人としては、モラハラに悩む人にどんな対応やアドバイスをしたいですか?

たぷりくさんモラハラに関しては、本当にたくさんの人が悩んでいることだと思います。保育士の中でも心を病んだり、体調を崩したりして、退職される人が多いです。本当に好きで、やりたい仕事にも関わらず…です。

――本作をSNSで発信していた際、「こんな職場早く辞めるべき」という反響も多かったようですね。

たぷりくさんはい。だけど担任を任されている保育士のみなさんは、クラスの子どもたちへの思いや責任から、簡単に途中で投げ出せないと考えてしまうと思います。私もそうでした。子どもたちを放って辞めてしまうことが難しくて、結果的に自分の体も心も限界を迎えてしまうのだと思います。実際、私も辞めてからようやく「体を壊してまで勤める園だったのか?」と考えることができました。子どもたちを想うと辛い選択かもしれませんが、本当にしんどい状況ならば、モラハラで心や体にまで異常をきたしてしまう前に、辞めるという選択肢も持っておいてほしいと思います。

【漫画】『保育園トラブル モラハラ園長と闘います』

【作品紹介】
『保育園トラブル モラハラ園長と闘います』(著者・たぷりく/KADOKAWA)

 私は保育士歴5年の新美はる(25)。私立保育園で2歳児クラスを担当しています。子どもたちの笑い声、かわいい笑顔があふれるこの場所ですが、時に思いもよらないトラブルが起こることもあるのです――。窓から子どもたちのおひるね姿をのぞき込む不審者、お迎えの遅刻常習なのに、延長保育料400円を渋って怒鳴り散らす親…親御さんとのトラブルだけじゃなく、その対応や認識の違いから、園長にもいびられるようになって…!? 「今日は除去食ないはずよ!大げさじゃない?」「あなたのその保育、押しつけじゃないの?」子どもを守るために奮闘する保育士……だけど、しんどいものはしんどいんです!

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