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飼育放棄された大型犬、保護されても安心して託せる里親がいなかった…住居を改築して引き取った飼い主の思い

1歳になる超大型犬の雑種・りっちゃん(55kg)が飼い主さんご家族に甘える様子

1歳になる超大型犬の雑種・りっちゃん(55kg)が飼い主さんご家族に甘える様子

 20代で購入した一軒家をペットたちと暮らすために改築し、2匹の大型犬と1匹の猫と暮らしている飼い主さんのツイッターが話題に。飼い主さん(@Ayoster_classic)が飼っている大型犬2匹は元保護犬で、一般家庭からの飼育放棄だったり、生後間もない時に劣悪な環境から保護された経緯がある。今では天真爛漫に「散歩に行きたいです…」とアピールし、次々に起こるおもしろハプニングでツイッターのユーザーたちを楽しませているが、そこにたどり着くまでにどんなことが起こっていたのか? 超大型の保護犬と暮らすために飼い主さんが実行してきたこと、自宅に迎え入れる覚悟の気持ち、過去の苦労を聞いた。

保護しても安心して託せる先がない”超大型犬”の飼育環境

 飼い主の肩幅さんは、雑種の大型犬ゼッゼ(5歳、42kg)、りっちゃん(1歳、55kg)、猫のあさひちゃん(2歳、4kg)と暮らしている。

ーーツイッターでは、ひょうきんな顔でユーザーたちを楽しませてくれる、雑種のりっちゃん。立つと、飼い主さんの背丈を超えるほど”超大型犬”ですね。どのような出会いがあったのでしょうか?

「保護活動をしている方から里子として迎えました。個人が絡むので詳しくは話せませんが、かなり劣悪な環境からの保護です。りっちゃんは保護されてから長い間里親が見つからず、保護主さんいわく『応募はあっても超大型犬を安心して託せる方がいなかった』そうです。『今月中に貰い手がなければ、うちの子にして、そのかわり保護活動はやめるしかない(超大型犬を家族にしようとなると余裕がなくなるので保護活動は諦めよう)』と決めていたそうです。そんな中で私がりっちゃんの募集を見つけ、応募しました」

ーー最初に、りっちゃんを見たときの印象は?

「この子、ゼッゼ(先住犬)と同じ顔だな!? まさか運命!? と思いました。愉快な友人たちに『気になるこを見つけた』と写真を見せたら、全員が『運命で間違いない』と言っていました。

 それから応募をして、話を進めていくうちに、私も保護主さんも、お互いに『あれ?この人知ってるぞ?』と感じるようになり、思い切って確認すると過去にゼッゼ(先住犬)について相談したことがあるトレーナーさんでした。今、私とゼッゼのあいだにある絆の基盤となるようなアドバイスをくださった方だったんです」

ーー過去にご縁があったとは、驚きです。

「トレーナーでもある保護主さんは当時のことを振り返り、『ゼッゼの幸せとはなにか?と真剣に向き合う人柄を知っています。関係性がうまくいってなかった当時から2年、今のゼッゼが幸せなのはとてもよく伝わります。だから、りっちゃんも安心して託せます』と言ってくださり、りっちゃんを我が家に迎えることになりました。連絡をとって、その三日後には家にトライアルに来ていました。

 実はりっちゃんと出会う前から2頭目の検討はしていたものの、4、5件応募して全て様々な理由でご縁に繋がりませんでした。なので、運命の子なら本当にトントンと話が進むんだな…と思いました」

苦労した”しつけ”や”関係性の構築”「世間的にある常識の一切を捨てて臨んだ」

1歳の雑種犬りっちゃん、猫のあさひちゃんの頼れる兄、ゼッゼ(5歳)

1歳の雑種犬りっちゃん、猫のあさひちゃんの頼れる兄、ゼッゼ(5歳)

ーー初めて自宅に迎えた犬が大型犬で、保護犬だったと…。関係性を築くまでに、どのような苦労があったのでしょうか?

「正直にこんなことを話すと批判も出てくるかもしれませんが、ゼッゼを迎えたときは保護犬の大変さも全く知らず、『犬を迎えるなら里親で』と決めていただけで、あとはただ大型犬と暮らすハッピーで楽しい日々しか考えていませんでした。実際に迎えてからの苦悩は相当でしたね。ゼッゼとの関係作りに行き詰って悩み、犬を飼うこと自体が向いてないのか、私はゼッゼを幸せにできないのかと泣いたこともありました」

ーー当時ゼッゼちゃんとは、どのよう関係性だったのでしょうか?

「当時はゼッゼと一緒にいて楽しい、愛おしいと思う反面、一緒にいることが「しんどい、苦しい」と思うことも多かったのが正直なところです。無知な私は、力が強い大型犬をちゃんと扱わなければ!という責任感から、しつけばかりに一生懸命になっていました。目の前にいるゼッゼそのものを全く見ていませんでした。なので、ゼッゼとの距離感は開いていくばかりか、ゼッゼの心がもっと遠くなっていると感じる瞬間もありました。当時について、ゼッゼには本当に申し訳ないことをしたと思っています。飼育放棄で傷ついていたであろうゼッゼを、もっともっと早く『この人は大丈夫!』と安心させてあげたかったです。当時は、トレーナーを頼っても、何冊の本を読んでも、私とゼッゼの関係が良くなることはなく、どうしたらゼッゼを幸せにできるのか全くわからなくて本当に辛かったです」

ーー元保護犬で、すべての”人間”に距離感を感じていた部分もあったのかもしれません。どのように関係性を築いていきましたか?

「あるときから、しつけは無茶苦茶でもいいから、とにかくゼッゼと楽しく過ごそうと思うようになりました。『そんなことしたらもっとむちゃくちゃな犬になるかもしれない』という不安は気合でドブに捨て、ゼッゼが大好きな散歩、走ること、山の散策など1日に何時間もしていましたね(笑)。体力勝負でした。そんな日々の中でだんだんと心の距離が縮まっていきました。ゼッゼの信頼を感じるようになりました。そこから新たに出会ったいろんな方の協力もあって、今の私とゼッゼがあります。」

ーー実際に、家で飼育するために実践してきたことは?

「滑りやすい床は犬の足腰や関節に負担をかけるので、家の床をオール玄関化しました。若いうちから足腰や関節などの身体的な健康には重きをおきたいと思ったからです。栄養についても同じように考えていて、シニアになって蓄積された栄養不足や偏りが何らかの形で表面化しないよう、今のうちからシニアになることを視野に入れて生活環境や栄養状態を整えています。あと、家の中では常にフリーにしています。犬たちが自分で、過ごし方や場所を決められるように、選択の自由を大切にしています」

ーーお話を聞いていると、たくさんのことを勉強されてきた様子がうかがえます。

「ゼッゼ・りっちゃん・あさひの幸せを追求するには、犬や猫についてとにかく知ることが必要だと思いました。彼らと私は、言葉での明確な意思疎通ができません。なので、私から彼らを彼らの目線で理解しようと努力する必要があります。なので、とにかく勉強です。ゼッゼとの苦しい経験からも、世間に溢れかえる情報や知識の正誤を判断するには、それ以上の情報と知識が必要だと思いました。なので、とにかく勉強です(2回目)。なんて言ってますが勉強してもしても知らないことが多すぎて際限がなくめっちゃ大変です。時間もお金もかなりかかります。私がもう少し学びを深めたら、困ってる飼い主さんと犬のちからになる活動をしたいと思っています」

動物から教わる”人の心”「人間として多大な成長をさせてもらっている」

ーー超大型犬のりっちゃんが立ったときの体長は、飼い主さんの身長を余裕で抜かしていて、その大きさに驚きました。食べる量、散歩の回数はどのくらいですか?

「これはあくまで”うち流”なので、それを前提で聞いてほしいです。りっちゃんの散歩は1日2回です。ご飯の量は、フードや肉卵魚ヨーグルトなどで、55kgのりっちゃんで1日の総重量は2〜3kgくらいだと思います。フードだけの食事よりは水分が多いので、重さだけで見るとすんごい量になっていますが、うちは全体量ではなく栄養素の内容量で食事を管理しています。ゼッゼも1日1〜2kgを朝晩の2回食べています。季節やその日の活動量によって増減します。」

ーーりっちゃんは、飼い主さんとどのようにコミュニケーションを取ると喜びますか?

「とにかく触れ合うことが大好きなので、撫でる、ブラッシングはもちろん、私のひざに乗っかる(収まっていないけど収まっているつもり)、寄り添うなど、くっつくことが大好きです。でも、そばにいないで自発的にひとりの時間を過ごしているときもあります。主に本当の玄関が冷たくて好きです」

ーー飼い主さんが、3匹の存在に癒されていたり、助けになっていたりすることはありますか?

「実は昔は感情が希薄で機械みたいだねと言われていました。そんな私に『心が温まる』『愛おしくて泣けてくる』という人の心(?)を教えてもらっている存在です。源泉かけ流しの愛情ってこういうことかと感じています。感情なさすぎて合理性だけを軸に生きていた私もだいぶ人間になったと思います。

 他者に興味もなかったので必要以上に人間関係も作ってなかったのですが、ゼッゼを通してできたたくさんの友人、犬友さんに仲良くしていただき、人と関わることの楽しさや、素晴らしさを学びました。犬たちが与えてくれる全てのことが私の人生や心を豊かにしてくれています。たくさんのことを与えてもらっているのは私だなといつも思います。だからこそ、ゼッゼ、りっちゃん、あさひには最高に幸せな犬猫でいてほしいです」

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